2017年2月4日土曜日

ハニワ君

ハニワ君
ハニワ君
埴輪を見ていつも思うことは、その埴輪が作られていた制作過程である。埴輪工房のような専用の部署があり、そこで当時の職人たちが腕を競い合っていたのか、はたまた、老後のおじいちゃん的に自分の部屋にマッチ棒でお神輿を作って気が付いたら部屋よりお神輿が大きくなってしまい部屋から出ないような間抜けな状況で制作してたのか、とにかく埴輪を見ていると、その当時の制作過程が気になる。埴輪は、3世紀後半から6世紀後半にかけて造られ、前方後円墳とともに消滅したそうだが、作るのに飽きてしまったのだろうか。前方後円墳の出現がヤマト王権の成立を表すと考えられているそうなので、多分、ヤマト王権ができて何らかの理由で必要ではなくなったのであろう。それにしても300年を超える間作られていたのだから、何かしらのブームとか変遷があったはずである。人物埴輪に動物埴輪。家型埴輪に器財埴輪もある。当時も埴輪工房に観光客が来て、お土産にひとつこの埴輪いただいていこうかしらなんて会話していたら面白いとも思うのだが、文字が使用されていなかった時代、宗教的な儀式を目的として作られたそうだから、まじめなものだったのだろうし、制作者もそれそうとうの権威を持っていたのだろう。でも、製作途中で、無名の作者たちが、「この腕の角度おもしろくない?」「いや、もっとこう、曲げてみてひねりを加えた方が面白いよ」となんらかの遊びを製作現場でしていた気がするのだが、どうだろうか。埴輪も気になるが、その前の時代の土偶も気になる。埴輪は「権威の主張や儀礼、宗教」が主目的だそうだが、土偶は「豊作祈願」が主目的だったと考えられているそうだ。目的や歴史的見解は別にして、見られるものなら、その制作現場を見てみたいものだ。

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